中華ピストフレームを買う前に、確かめられる5つのこと
買った人が少ないぶん、良い話も悪い話も又聞きになりがちです。品質の評価に入る前に、メーカーが自分で書いている数字だけで確かめられることが5つあります。
中国・台湾・香港のフレームは、値段の幅も情報の幅も大きくて、判断材料が見つけにくい分野です。 「安いから危ない」も「実は同じ工場だから同じ」も、どちらも確かめずには言えません。 ここでは言い切れることだけを並べます。実際に握って確かめるのは、そのあとで十分です。
1. リアブレーキの穴があるか
いちばん最初に見る項目です。日本の公道では前後にブレーキが要るので、 穴が無ければその時点で用途が決まってしまいます。
そしてこれはジオメトリ表には載りません。実例として、FUJI の TRACK ELITE は 「ブレーキ装着不可のため、日本での公道走行はできません」と公式に書かれています。 いっぽう同じトラックシリーズの TRACK PRO は「ブレーキ装着可能」です。同じブランドの同じ系統でも割れます。
収録している16モデルのうち、公式の文言でリアブレーキ穴を確定できたのは8モデルだけでした。 残り半分は「無い」のではなく「メーカーが書いていない」状態です。フレーム一覧では、確認できたものと未確認のものを分けて表示しています。
2. エンド幅が前100mm・後120mmか
ピストのリアは120mm、フロントは100mmです。ここは中華フレームでも守られていることがほとんどで、 たとえば TSUNAMI SNM100 は公式スペックに「Front QR 100mm, Rear 120mm」と明記しています。 逆にここが違う車体は、手持ちのホイールがそのまま入りません。
3. クランクの軸規格(テーパー)が何か
中華クランクの多くは四角テーパーのJISですが、「四角テーパーだから同じ」は成り立ちません。 たとえばスギノの SG75 は見た目が同じ四角テーパーでも独自規格で、 メーカー自身が「他のテーパー規格とは互換性がありません」と書いています。
嵌まってしまうぶん、間違えたときの結果が重い部分です。互換チェックでは、この組み合わせを「不適合」と出します。
4. チェーンラインの公表値があるか
トラックのチェーンラインは42mm前後が基準です。 公表しているメーカーなら、手持ちのクランクやハブと合うかを買う前に計算できます。公表していないメーカーの場合は、届いてから実測することになります。チェーンライン計算は、スピンドル長から推定せず、実測値を入れる作りにしています。
5. ジオメトリ表に「測り方」が書いてあるか
意外に思われるかもしれませんが、ここがそのメーカーの姿勢がいちばん出る場所です。
「トップチューブ」には、水平に換算した有効長と、実際のパイプの長さの2種類があります。 どちらで書いたかが表に無いと、他社と数字を並べても比較になりません。 TSUNAMI は「Seat Tube Length (CTT)」「Effective Top Tube」と両方の基準を書いています。 SKREAM も「Seat Tube (C-T)」と明記しています。基準を書くのは手間で、書かなくても売れます。それでも書いてあるかどうかは、見れば分かります。
フレーム比較では、測り方が違う項目、 あるいはどちらにも記載が無い項目は、値をグレーにして比較を止めています。
確かめられないこと
溶接の質、塗装の厚み、アルミの熱処理、そして「どこの工場で作られたか」。 これらは公表値からは分かりませんし、見た目が似ているという理由で同じ工場だと書くこともしません。 ここで扱えるのは、メーカーが自分で公表した数値と、こちらで実測した数値だけです。
海外通販で買えるピストパーツでも、実物を測って確認したものと、 購入者の評価をもとにしているものを分けて書いています。
出典
- FUJI TRACK ELITE(日本正規・シフタ)
- FUJI TRACK PRO(日本正規・シフタ)
- TSUNAMI SNM100 公式仕様
- SKREAM MAGNUM サイズチャート
- スギノ 75 / BB-SG75(SG75テーパーの説明)
トルクの数値と、ブレーキに関わる判断は、このページではなくメーカーの指示と整備をする人の判断に従ってください。